中秋節

1996年9月、何となく腹痛にも慣れてきた頃、朝の屋台でピータン粥と豆乳を買って帰り、マーラーの交響曲第1番を聴きながら食べていると、住人たちが慌ただしく出掛けていきます。

私が住むアパートの近くに大学があるので、住人たちはほぼ学生です。いつもは私のほうが早く出掛け、遅く帰るので、学生たちと会うことはありません。
何なのか気になったのですが、未だ声を掛けれるほど話せなかったので、玄関から出ていく学生たちをベランダから見送っているだけでした。

そんなことを、製造委託先を巡回していた車中で運転手に聞いたのです。運転手は日本語が上手な台湾人で4つ年上の陳(仮称)さんです。
陳さん曰く、来週「中秋節」があり、そのため今週末から来週にかけて連休をとるのだそうです。そして連休初日に帰省し、家族と一緒に過ごす習慣があると言います。ただ、学生に限っての大型連休らしく、社会人は2~3日の連休程度だそうです。

当時は新幹線も開通してないので、長距離移動手段は鉄道か高速バスです。座席確保のために朝早くから出掛けたのだと知ったのですが、

  • 「チケットを予約していたらそこまで急ぐ必要もないんじゃないの?」
  • 「予約はいいかげんだからしない。朝一番に行ってチケットを買うほうが確実。」
  • 「予約をした者より、早く買いに来た人を優先するってこと?」
  • 「そう。予約した者のほうが適当で、予約した列車に乗車しないことが多いから。」
  • 「じゃあ、予約したら一日切符みたいに、どの列車にも乗車できるって感じ?」
  • 「そうそう、そんな感じ。」
  • 「ブッキングするよね?」
  • 「あまりない。」
  • 「なんで?」
  • 「指定席も自由席も一緒。空いていたら座る。変な人は、切符を持っていれば次の日でも乗車できると思ってる。」
  • 「・・・」

日本ではあまり考えつかない感じなのですが、要約すると、予約システムは名ばかりのシステムで、結局早い者勝ちになるようなのです。

しかし、名ばかりとは言え、じゃあ「予約」って何?と言う感じでしたが、これも郷に従えなのかとモヤモヤ感を抱きながら納得せざるを得ませんでした。

今では安心して通路側を指定してチケットを購入してます。こうなったのは何と言っても新幹線の導入でしょうね。
列車の「予約」とは「指定された座席に座る」ことが基本です。新幹線は初めての導入なので、このルールがすんなりと受け入れられたんだと思いますが、在来線の特急列車も意識したのか一般的になってきてます。
新幹線の導入と供に、こういったマナー教育も導入した結果、乗客の意識改善に繋がったのでしょう。今では、学生たちも余裕を持って帰省していることでしょうね。