では、どの程度の費用が何に掛かっているかを整理してみます。
楽天市場の場合
2017年6月末時点での手数料となります。売上や決済したデバイスによって手数料が変わる仕組みになっています。
- 【1】出店料(スタンダードプラン):5万円/月
- 【2】商品一括登録サービス:1万円/月
- 【3】システム利用料
- PC経由の手数料
- 100万円以下の部分:4.0%
- 100万1円以上~200万円以下の部分:3.0%
- 200万1円以上~300万円以下の部分:2.8%
- 300万1円以上~500万円以下の部分:2.8%
- 500万1円以上~1000万円以下の部分:2.6%
- MO経由の手数料
- 100万円以下の部分:4.5%
- 100万1円以上~200万円以下の部分:3.5%
- 200万1円以上~300万円以下の部分:3.3%
- 300万1円以上~500万円以下の部分:3.3%
- 500万1円以上~1000万円以下の部分:3.1%
- PC経由の手数料
- 【4】決済サービス手数料
- 通常売上:15円/件
- ボ-ナス売上:15円/件
- キャンセル売上:5円/件
- クレジットカード決済:3.13%
- 【5】スーパーポイント付与料:1.0%
- 【6】スーパーアフェリエイトサービス
- 成果報酬
- 30万円以下:30%
- 30万1円以上100万円以下:25%
- 100万1円以上500万円以下:23%
- 500万1円以上1000万円以下:20%
- ス-パ-アフェリエイトシステム利用料:1.3%
- 成果報酬
- 【7】スーパーソーシャルサービス(Facebookとの連携サービス)
- 基本料金:3千円/月
- 従量課金:1%
かなり複雑な仕組みとなっていて、覚えるのにも一苦労しそうです。これ以外にも、他のサービスもありますが、ここでは、お世話になっているネットストア事業様が利用されてるサービスを並べてみました。尚、システム利用料は、月間平均単価(平均バスケット単価):1万円とし、クレジットカード決済手数料は、楽天クレジットカ-ド決済:2.65%とそれ以外のクレジットカ-ド決済:3.6%の平均とします。
以上のことから、月売上を以下の条件として試算してみます。
- 売上500万円=250万円(PC決済)+250万円(MO決済)とする
- 売上500万円の内、2%をアフェリエイト経由の売上とし10万円とする
- 売上500万円の内、2%をアプリ経由の売上とし10万円とする
- 売上件数500件とする
諸々当てはめていきますと、売上500万円に対し約9.72%の費用が掛かっていることになります。金額にして約49万円です。
これだけでは済みません。この費用に加え、広告宣伝費を考えなくてはなりません。ブランド力が乏しいネットストアでは無視できない費用です。私の知る範囲ですが、月売上500万円前後を維持しているネットストア事業者様は平均して7%程度の宣伝広告費を売上に対して使っているようです。金額にして35万円です。ただこれは、「サーチワード広告」というクリック課金型ではないディスプレー課金型が含まれており、約70%を占めているようです。
まだあります。最近ニュースにもなっています送料の問題です。再配達や夜間配達など、過酷な状況となっている今、値上げは仕方のないことかもしれませんが、ネットストア事業者様にとっては何とも苦しい状況です。取扱商品によって様々ですが、家具や雑貨を扱うネットストア事業者様では、売上に対して6%の送料が掛かっているようです。「送料無料」を謳うネットストア事業者様は、全額これを負担するかたちとなります。
以上のことをまとめ、費用を数値化すると、「22.72%」の費用が掛かっていることになります。金額にして約114万円です。
月売上500万円すべてが消化仕入商品であった場合、粗利益(売上総利益)は30%程でしょうか。とすると、金額にして150万円です。ここから114万円を差し引くと36万円が残る計算となり、さらに、家賃や水道光熱費等を差し引き、残った金額が給与となります。
楽天市場は集客が担保されている分、費用が大きくなるのは仕方のないところかもしれませんが、利益は出さなければいけません。では、どのようにして利益を出し残すのか、考えなくてはなりません。